こんにちは、高田です。
80年代後半以降にアクティブな時代を過ごした人は、おおかれすくなかれグローバリズムの洗礼を受けていると思われます。
バブルが崩壊したあと、書店にいくと、「アングロサクソンでなければ生き残れない!」なーんてタイトルの本がいっぱい並んでいたのを思い出します。
こういう極論は、たいてい揺り戻しがはいるもので。
いまはEUなんかがいい例ですね。
ほぼドイツ一強で支えているものの、別の見方をすれば、EU各国はドイツに食い物にされてるのではないか、といいう考えもあるわけです。
わかりやすく、ギリシャとドイツの関係をみると。
もし、EUの通貨統合・関税の撤廃がなければ、
ギリシャの国力が落ちる → 通貨安(ドラクマ安)になる →ギリシャの輸出競争力アップ
→国内産業が育つ(関税でも守れる)→国力が上がる
という順序を辿れるわけですが、ユーロに通貨統合しているだけに、上記の上昇スパイラルがおこせないわけです。
ゆえに、ギリシャは永遠にドイツの工業製品の攻勢を受け続けなければならない、国内産業も育たない。
と、こういう状況から抜け出せないまま今日にいたってるわけです。
けれど、ドイツにとっては、じゃあEUでいろんな政治的・経済的リスクが発生してユーロ安になったとしても。
ユーロ安になれば、今度はドイツはEU畿外(アメリカとか中国とか)への輸出競争力がアップするので、それでも万々歳、となっているわけで。
どう転んでも、ドイツ様は大丈夫!という体制に(少なくとも今までは)なっていたんですね。
これ、視点を変えれば、ドイツはEU内に植民地をもっているのと一緒なんですよ。
「関税撤廃!」「自由貿易!」ってうつくしい言葉なんですが、
明治維新のあたりで、日本・アジア各国が欧米から、関税自主権を奪われて、えらい苦労をしたことを考えると、じっさいは、関税の問題は、国家の主権に関わる問題であって、そう簡単に放棄していいのか?って考えられるわけです。
日本もこの「不平等条約」を解消するのに涙ぐましい努力をしてきました。
また、経済の面でなく、政治の面で考えてみましょう。
いま、移民の問題でEUも揺れておりますが(アメリカでもどこでもそうですが)、これは、「ヒトの移動の自由」がもたらしたものですよね。
で、移民による犯罪の増大、自国内の労働者が雇用を奪われる、などの問題がおきていて、国民が反発している。各国の選挙結果をみていると、極右(or極左政党)が当選していたりして、グローバリズムへの反動が起きていますね。
つまり、ナショナリズムへの回帰。
ナショナリズムは、この場合、本来の意味での、国民主義です。
それから、自由貿易協定は、基本的には供給サイドを活性化させる政策ですので、デフレ圧力が発生します。
供給のほうを活性化させる政策は、
需要<供給
を強化しますので、当然、価格には下落圧力がかかります。
デフレ退治をやろうとしていて、逆の政策をやってますんで、そりゃインフレターゲットの達成なんて無理でしょう、
ってことで、こんなこと、アベノミクスの初期から気づいていなければいけません、学者も官僚もね。
*そういいつつ、個人的にはTPPに賛成なんですが、これには別の政治的意味があるからです。
あれ。なんの話だ(笑)。
そうそう、グローバリズムは古くなるかもってことでしたね。
政治とか経済の話だけだと実感がわかないので、教育のほうでちょっと想像してみましょう。
たとえば、親子関係で、「ああ、うちの親とはなんかもう話しがかみ合わない、産業時代(地域によっては農業時代)の価値観から抜けれないんだなあ…」なんて思ったりしますが。
これって、うちらの子どもがおおきくなったときにも、同じパターンが起こり得るってことですね。
「ああ、うちの父ちゃん、グローバリズム!グローバリズム!って、ふるいなあ。
情報時代初期の考えから抜けれないのね・・・・・・」、
なーんてショッキングな未来予測。