新手の「共同出版」モデル
ギャラクシーブックスというところ(galaxy株式会社)から出版オファー(執筆依頼)が来ました。
ギャラクシーブックスは、Amazon専門のオンデマンド出版を手がけているようです。
*オンデマンド出版は、「注文が入ってから、都度印刷・製本して、本を購入者に届ける」というモデル
両手をあげて喜びたいところですが(笑)。
僕は、何年もネットビジネス業界にいたり、また10数年前まで、”詩人(歌人)”という(ちょっと出版に関係のある)世界にいたこともあるので、
「何かあるな…」
「どういうビジネスモデルなのか?」
と、まずは興味が湧いた次第です。
で、結論的には、
新手の「共同出版」(企画出版とかいろいろ言い方があります)モデルですね、これは。
つまり、
- 出版に関わる費用を著者に一部(というか、けっこうな部分)を負担させて、出版社側のリスクを抑える
というやり方です。
文芸社や、かつては新風舎などが手がけていたビジネスモデルです(文芸社はまだやっているようです)。
どういう世界か?
興味ある人は、『夢を売る男』(百田 尚樹 著)を読んでみると良いです。

どういう出版モデルなのか、判断基準は?
こういった今までの共同出版とどう違うか?というところですが…、
- ギャラクシー出版が負担するのは印刷代
- それ以外の編集費・デザイン費用などを著者に負担させる
- 印税は10%(これはネットで調べました)
というところで、ポイントは、
- 印刷代は、注文があってから初めて発生するので、出版社側(ギャラクシー出版)にまったくリスクがない。オンデマンドなので、書店営業などの労力(=人件費)もかからない。
- 著者が負担する編集費・デザイン費などは当然、売れようが売れまいがかかってくる。著者にはリスクがある
- 著者負担分の金額(ココではあえて書きません)は、印税換算でいうと、「数千冊」売れないと、元がとれない
ということです。
判断の基準としては、
- 上記の金銭的リスクを引き受けてまで、「著者・作家」としてのブランディングがたつのか
*ISBNナンバーは取得してくれるようです
にかかっていますね。
ちなみに、新風舎が猛威(?)をふるっていた当時は、ホームページ全盛の時代で、検索してみると、
「出版が決まりました!自費出版ではないです\(^o^)/」
という喜びの記事が、あふれていたものです。
*ちなみに、新風舎からは僕もオファーを受けたことがあります。笑
まあ、どの程度、書店流通の努力をしてくれたのか?とかいろいろ問題があって、数年後は、「新風舎から本を出した」とは言いにくい状況になったことを覚えています。
ギャラクシーブックスを手がけているgalaxy株式会社は、 akippaという空き駐車場サービスの「akippa株式会社」から派生したきた会社のようです。
そういう意味では、優秀なベンチャービジネスで、今回の出版モデルも、共同出版を最先端に作り変えた優れたビジネスモデルですね(出版社側にとって)。
こういうアイディアを思いつくのが、まさにブルーオシャン型で、”天才の領域”であるんですよ。笑
参考記事:「ネットビジネスでブルーオーシャンは避けたほうが良い理由」
そういうわけで、天才でない人は物販をやりましょう。笑
今回の記事は、ギャラクシー出版への批判が目的ではありませんので。念のため。オンデマンド出版が今後の主流になってしまうかもしれませんしね。
ただ、
- 世の中はマーケティングに満ちていること
- 自分自身でそれを見破り、自分自身の判断基準・知恵を持つこと
が大事ですね。
知識社会では、情報弱者・判断他人任せの状態では、マーケティングに抗えず、”お金を払う側”にだけ立つことになります。