資産形成の方程式の変化形
資産形成の方程式は、
資産形成=(収入ー支出)+(資産×運用利回り)
でしたね。
参考記事:「資産形成の方程式を覚えておこう」「消費・浪費・投資」
この式は、
『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方2015 知的人生設計のすすめ』橘 玲 (著)
に出てくる考え方です。

このうち、
「収入」は「稼ぐ」に、支出は「使う」に、運用利回りは「増やす」に、(収入ー支出)の値が、「守る」に該当します。
これに基づいて式を変換すると、
資産形成=(稼ぐー使う)+増やす
*稼ぐー使う=守る
ということになりますね。
それでは、順番に見ていきましょう!
稼ぐ
一番はじめに考えるべきことは、収入を増やすことです。
「守る」を先に考えると、けちけちマインドになりやすいので、注意なんですね。笑
また、「増やす」といっても、投資は種銭が少ないと、どうにも増えません。仮に年利20%で運用できたとしても、投資資金が10万円では、年間2万円にしかなりませんからね。
「稼ぐ」方法論としては、いくつかのパターンがありますが、おおまかには、
- サラリーマンをやりながら副業(夜間起業・週末起業)→いずれ、副業を本業化もアリ
- 自営業であるならば、株式会社化できるくらい(年収500万円以上目安で株式会社化したほうが良い)の規模へ育てる
ただ、富裕層を目指すのであれば、世界の富裕層のほとんどが相続によるケースを除けば、自営業もしくはビジネスオーナーということになります。
日本では、じつは「中小企業のオヤジ」の富裕層率が高いんですよ。笑
それから、当サイトで繰り返し主張しているように、「経済・時間・場所・人間関係」の4つの自由をまるごと実現するためには、やはり、ビジネスオーナーを目指すしかありません。
サラリーマンをやりながら、不動産投資というのも人気なのですが、ネットに出回っている情報以上に、失敗していくケースが多いです。
不動産投資というのは、投資のなかでもカタイほうではあるのですが、失敗していく人は、やはり財務感覚、経営者視点が欠けているケースがほとんどなんです。
そういう意味で、ビジネスオーナーになって経営感覚を磨き、稼いだお金を投資(株などの紙資産か不動産投資)に回すという方が、順序として理にかなっていると思いますね。
「稼ぐ」というところでは、まずは年収600万円以上は安定的にゲットできるようにしたいところです。
守る
ここも注意が必要です。
僕らが、「稼いでいる人」というイメージを浮かべる人というのは、どうも金遣いが荒そうに見えるんですね。笑
これは、
- 「金遣いが荒い」というのが、そもそも彼らの業種にとって、イメージ戦略としての必要経費であるパターン
- 単純に、入った分だけ使ってしまうという
参考記事:「自分軸節約術」
のどちらかだと思います。
1.のパターンはいかんともしがたいですが、そもそも、そうしたイメージ戦略を使う必要のない業態を選ぶという視点も大事ですね。
2.のパターンは、実にこのワナにハマっていく人がかなり多いんです。
これは、「使う」ということの誤解にも基づいています。
自己実現本やネットの情報発信などを読むと、「セルフイメージを上げるために、高級レストランへ行きましょう!」なんてことが書いてありますが。
これは、文字通り、「セルフイメージ上げ限定」で使うべきです。あるいは、目標に到達した段階ではこのような生活が待ってるんだ!というモチベーションアップですね。
この視点抜きにしていくと、「パーキンソンの第2法則」にハマってしまいます。
パーキンソンの第2法則:支出の額は、収入の額に達するまで膨張する
特に、住居系で生活レベルを上げると、「ご近所との比較」に始まって、車・教育費…などどこまでも膨張していきます。
やはり、他人との比較、世間のイメージを抜きにした、己をよく知ったシンプルライフを見つけたほうが良いと思いますね。
使う
「使う」ということについては、「消費」と「投資」の2通りあることを押さえておいたほうが良いです。
消費については、生活の必要経費はどうしてもかかってしまいますので、やむを得ないところは当然あります。
が、この消費についても、「本当に今買おうとしているのは、お金を払うだけの価値があるのか」と、都度、考えたほうが良いですね。
できうるならば、一見、消費と見えるものでも、「投資化できないか?」考えてみるべきです。
たとえば、旅行であっても、「息抜き」「家族の楽しみ」ということ以外の視点として、「学び・経験値アップ」を意識するだけでも、消費→投資 に少しでも移行できます。
あとは、「投資」のほうですが、これは、
- 事業で稼いだお金の一部をさらに再投資していく
- 自己投資をする
とりあえずは、この2通りあるかと思います。
1.についても2.についても、共通した注意事項は、投資した金額以上を回収するという強い意思をしっかり持つことです。
これ抜きにしてしまうと、「投資マニア」というか、2.で言えば、お金を払った途端、自己満足してしまう、「セミナージプシー」「自己啓発マニア」になってしまいますので注意です。こういうのもクセをつけると、「自己洗脳」になってしまって、なかなか抜け出せません。
できたら、投資に対してどれだけリターンがあるのか、という投資収益率(ROI)を意識するくらいでいたいものです。
*投資収益率とは、一定期間における、投資元本に対する収益の割合のこと
増やす
「殖やす」という漢字でもいいですね。
要は、「殖やす」は投資資金の利回りを上げていくことです。
これは、「使う」でご説明した「自己投資」に密接に関わってくるものです。
僕はここ数年、ビジネスや投資を続けてきましたが、現時点での感想は、やはり「王道が一番近道」ということです。
つまり、うまい儲け話なんてめったにあるもんじゃないし、むしろ、期待もしないほうが良いです。
原則はやはり、
- ローリスク・ローリターン
- ミドルリスク・ミドルリターン
- ハイリスク・ハイリターン
ということはしっかり押さえておきましょう。
そして、自己投資によって、知識とリテラシー(=知識を運用するチカラ)を高めて、
- ローリスク・ミドルリターン
- ミドルリスク・ハイリターン
- ハイリスク・スーパーハイリターン
に持っていくことです。これは十分に可能です。
ただ、ここでどの程度のリスクを許容するかは個人差がありますし、また、ひとつの方法として、
- 投資資金の8割をローリスク・ミドルリターンで
- 残り2割は、ミドルリスク・ハイリターンで
といったふうに、ポートフォリを組むのもセオリーですね。
まとめ
こんな感じで、「稼ぐ・守る・使う・増やす」のは、それぞれ別の考え方、心構えが必要です。ぜひこの4つを参考にして、あなた流の資産形成に役立ててみてくださいね。