こんにちは、高田です。
事業を営んでいると、売上や利益が毎月の実績の目安になってきます。
それはもちろん良い目安なのですが、その売上や利益にかかる「コスト」について、ちょっと考えてみようと思いました。
というのも、一方で会計の知識は大事(少なくともおおざっぱな把握で)だとは思うのですが、一方では、コストの面で、会計ではとらえきれないところがあるからです。
会計ではとらえきれないコストとは何か。
それは、まず「労力」が挙げられます。
ある一定の売上をあげるために、どれだけの労力を使ったか、ということですね。
もちろん、労力についてはある程度、人件費という項目で予想がつくところもあります。
が、これはもう全然、すべてではないですね(日本語、ヘンですか)。
たとえば、セールスなりマーケティングなりを仕掛ける時、それに要した労力というのは、会計では表示されていません。
同じ売上であったとしても、それにどれだけの労力がかかっているのか。
また、仮に毎月売上が一定だとして、それにかける労力はやはり毎月一定量なのかどうか。
ココがわりと見過ごされがちかなーと思います。
…ちょっと分かりにくいですかね。
たとえば、eBayで売れる商品をリサーチする。それにかかる時間が毎月100の労力だとする。
そして、それに対する売上が毎月やはり100だとする。
そうすると、年間の労力:売上としては、
労力:売上=100×12 : 100×12 = 1200 : 1200
ということになります。
でもここで立ち止まって考えるわけです。
「はたして、年間1200の売上をあげるために、毎月毎月100の労力を積み上げる必要があるのかどうか」
ということ。
つまり、これは一定の売上をあげるために、毎回同じ労力がかかってるってことなんです。
でもでも。これは本当にデフォルトの労力として疑わずに通り過ぎていいものなのか。
一度だけ300の労力を使い、あとは継続的に毎月100×12か月=1200の売上を出せばもっといいのではないか?と、ない知恵を絞って考えるわけです。
先ほどの式で当てはめると、年間では、
労力:売上=300:1200
になります。
つまり、初期に300の労力はかかる(100の3倍)かもしれないけど、いったん300の労力を出してしまえば、それが継続的に1200の売上を産み続けるようにすれば良いんではないか、と。
1200:1200 ではレバレッジが1なわけですが、300:1200では4倍のレバレッジをかけることができます。

話しが長くなりましたが、これがね、僕が、「いつまでリサーチを続けるんですか?」と投げかけている部分なんです。eBayでもAmazonでも物販全般で。
要は、無在庫リサーチと、上流仕入による小売店としての販売力の差。
よりメーカーに近いほうから仕入れられれば、かなりの部分、価格競争から解放されるわけです。
ま。リサーチも少しは残りますが、それって毎日のリサーチではなく、定期的に市場・競合分析をするってイメージに近いですね。
先入観で考えているほど、メーカーや卸から仕入れるのって、それほど難しいことではありません。
それこそ、さきほどの数式でいけば、3か月の労力(100×3=300)があれば、けっこうな割合で実現できちゃうと思います。これは経験したひとにとっては、わりと実感に近い労力値じゃないでしょうか。
300のちからをもって、思い切って取扱商品の、よりメーカーに近いところから仕入れられるように交渉する。電話をかける、メールをする、訪問する。
いくつかは断られるでしょうが、経験上、10社にアプローチすれば少なくとも1社はけっこうOKしてくれるもんです。
そうすれば、上流からの仕入れを実現できれば、競争不要というレベルまではいきませんが、「競争優位」のレベルにはいくことができます。つまり、無在庫セラーが追随できないレベルですね。
もうこれで、ぐっとライバルが減ります。
結局、無在庫で延々と毎日リサーチ続けるのって、ちょっとしたラグ(時間とか地域とか販売タイミングとか)をみつけて、潜りこもうとする手法ですよね。
僕は、物販におけるリサーチも大事だと思っています。商売の基礎を学べますしね。
ただ、事業を営んでいくうちに、やはりどこかの段階で、「競争の仕方」について、その方法論について、イノベーション(体系的廃棄)をかけていったほうがいいと思います。
要はこれが、転売レベルから貿易レベルへ、ということであるんですが。
まあ、貿易と言ってもレベルの違いがあって、僕なんかぜんぜん偉そうに言えるレベルではありません。
ただ、どうも多くのセラーは、メーカー卸仕入について、
「なにか、特別の立場とか能力のある人がやるもんだ」
って勝手に決めつけて、損をしているように思えます。
これ、eBay初心者の方に、「英語って実はそんな要らないんですよ」っていうと、「えっ!?」っていう思い込みと同じようなものかな、と。
思い込みのちからにとらわれて、本当は同じ労力をかけるならずっと上にいけるのになかなかいけない、というのはもったいないと思うので、ちょっと考えてみました。
それではー。