パーキンソンの第1法則を理解する
さて、「増え続ける仕事にどう対応していくか」というテーマです。
これはね、まずはじめに、「パーキンソンの法則」というのを覚えておくと良いです。
パーキンソンの法則とは、2つありまして、
- 仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する
- 支出の額は、収入の額に達するまで膨張する
というものです。
第2法則も大事なんですが、今日のトピックとしては第1法則ですね。
「仕事は膨張する性質を持っている」ということ。
これ、なぜかというとですね、人間は根本的には働くように出来ているからなんですね。
なので、無為のままで仕事時間を過ごすということが実際は難しいんです。難しいからこそ、無意識的に仕事を作り出してしまう性質を持っています。
無意識的に仕事を作り出してしまうということは、実は、それらの仕事のなかに、「不要なものが生じやすい」ってことでもあるんです。
大事なのは、「それが本当に必要な仕事かどうか」という見極め
なので、「増え続ける仕事にどう対応していくか」の前段階として、「そもそも、その仕事が本当に必要なの?」という洗い出しをしたほうがいいです。
うちの家業の会社の例ですが、僕が継いでからしばらく、経理担当の方が、商品別に記帳をしているという作業をやっていらっしゃいました。けっこうな時間を使って。
担当が経理なので、どの型式がどの商品の分類に入るか、ということで、都度メモしていたり、頑張っていらっしゃったんですね。
ところが。
あるとき、ふと僕は気づいたんです。
「その記帳の仕事、なんで必要なんですか?」って。笑
聞いてみると、先代の社長(僕の父です)から言われて、ずっとやっていたと。
それはね…、
おそらく、その時点では必要だった仕事だったのでしょう。
ところが、僕が継ぐようになってから考え直した範囲内では、使いみちがないというか、どう考えても要らない作業だったんですよ。
こんな感じで、「忙しい忙しい」と言っていながら、自分で忙しくしていたり、あるいは、上司に言われるまま忙しくなっている、というケースがけっこうあるんです。
こういう例を挙げるとキリがないのですが、もっと大きく言えば、「業界で当たり前」とされている仕事のなかにも、実は「要らないんじゃないの?」あるいは「他のもっとシンプルなことに切り替えられるんじゃないの?」っていうケースもありました。
こういう発想の切り替えをするためには、「自分あるいは自分の仕事を一歩離れて観察してみる」という物の見方を手に入れる必要があります。
簡単に言えば、客観視ですね。
そういうわけで、家事なども含めて、「忙しいなー」っていう場合、いったん仕事そのものから距離をおいて、「そもそも、これ、本当に必要なの?」あるいは「もっと単純化していいのでは?」という視点でチェックしてみるといいですね。