こんにちは、高田です。
いつぞやの記事で、冷戦終結後は「資本主義の大勝利!」ってことで、書店には「もう、アングロサクソンでないと生き残れない!」なんて本がたくさん並んだって話を書きました。
この、アングロサクソンでいこう!路線って、言葉を変えれば、あるいはひとつのあり方が「グローバリズム」であり、それはちょっと今行き詰っていますよ、なんて話でしたね。
今回はまた別の視点で、アングロサクソン路線を見直してみたいと思います。
こと、「経営」ということに絞ってみると、アングロサクソン的経営というのは、「株主資本主義」ということになります。
これはもちろん、本来的な意味での資本主義ではあるのです。
会社の所有と経営を分けて考える。
お金のあるひとはお金を出す→株主→会社の所有者
仕事ができる人は仕事をやる→経営
ってことですね。
欧米では、この所有と経営が日本に比べるとハッキリとしています。
なので、所有権がまったくなくても、とりあえずの最高経営責任者ということで「CEO]というものが任命される。
CEO・・・かっこいいですよね。僕もブログのURLなんかにも使っています。
が、これってよく考えてみると、要は、「雇われママ」ってことですよね。
CEO=雇われママor店長
あっと、話がそれました。
で、そもそもこの株主資本主義は、かなーり行き詰ってる感があります。
経営者としては、長期で計画をたて、設備投資や知識投資(研究開発費など)をやって、
長い目でみて成果をあげていく、ということがやりたいのです。また、やったほうがいいのです。
が、株主からすると、「成果あげとらんじゃないか!」ってハッパかけるわけですよ。
「今すぐ、成果だせー!」って。
なので、アメリカなんかでは、営業利益赤字では株主に還元する利益がないじゃないかってことで株主からプレッシャーがかかり、レイオフ(首切り)があっさり行われるわけです。
で、こんな短期的なことをやっているから、人材が育たない、流出する。
結果、中長期的にみて着実に人材を育成していた日本企業に敗北をする、なんてことが出てきました。
また話は変わりますが(こんな変わるなら、記事を分けろよって説もありますが)。
よく日本の「失われた10年」とか「20年」とか言われます。
海外からも言われるし、日本人自身も言う。
だけど、それって、GDPの成長率とか、会社の成長(税引き後当期利益の成長率)の話わけですよ。
でもね、日本の企業は、企業としての黒字・赤字よりも、「雇用を守るのも企業の使命」ってことで、純利益を犠牲にしても、雇用を守ってきました。諸外国から比べれば、比較的ね。
まあ、最近は別の風潮がでてきまして、それが「貧困」とか「格差」の原因にもなっているわけですが。
また、レイオフすると、→純利益が増えるので配当が上がるだろう →株価の上昇
のスパイラルが発生します。そうすると、株主は大儲け。
現にアメリカでは、レイオフの発表があると、その企業の株価が上がったります。
まあこの構造は日本でも一緒です。
・・・ちなみに、僕の場合は、「どちらに転んでも勝てる(あるいは負けない)」戦略をとっています。
企業家であるので、レイオフはされませんし、投資家でもあるので、株価が上がればそれでも儲けられます。
さらに言うと、僕の投資法では、株価が下がっても儲けられるんです。
いま、予想通り、年初から中国の株価が暴落しています。
これ、去年から分かっていたので、11月くらいからずっと「売り」をホールドしておきました。
ので、だいぶ利益がでています。
あ。また話がずれた。
そういうわけで、この欧米流の「株主資本主義」も行き詰ってきています。
僕個人で言っても、家業だけではなく、eBayやAmazon輸出で外注化する際、去年まではかなりの部分、人を使うやり方としては、
「極力システム化する。外注さんが交代してもいつでもすぐにでも仕事を流れていけるようにマニュアル化する、システム化する」
ということを中心にやってきました。
これは、今後も有効な考え方ではあると思うし方法論として大切にしていこうと思う一方、
「ヒトをじっくり育てる」「社員や外注さんと「チーム」として仕事を進めていく」
さらに言えば、
「仕事を通して、各マネジャーさんと一緒に成長していく」
ということを主眼に持っていこうと、今、大きな切り替えをやっている最中です。
そう、すごい笑われちゃうくらい古い考え方、「全員経営者」って発想です。

でも、僕は、この「日本式経営」に世界の経営の趨勢も移っていくと読んでいます。
このほうが楽しいですしね。
そこを起点に、「そもそも利益とはなんであるか」とか、「GDP成長率(あるいは規模)ってほんとに大切なの?」とか、「景気がいいってどういうことであるか」とか、いろいろな論説で「前提」とされているものを疑っていきたいと思っています。
それでは、また!