人は結局のところ、人生において自己実現、すなわち、「充実」を求めているわけですが、
それでは、そもそも充実というのは、いかにしてなし得るのか?ということについて、
タイトルの通り、「リア充」「プア充」…など、なんだかなって分類がありますよね?笑
当サイトでも何度かご紹介している橘玲さんの書籍ですが、
参考記事:「資産形成の方程式を覚えておこう」
『幸福の「資本」論―――あなたの未来を決める「3つの資本」と「8つの人生パターン」』という本を読みました。
橘玲さんは小説家でもあるのですが、資産形成とか人生論についてのついての本をけっこう出版していらっしゃいます。
文体も内容も、良く言って現実的、あるいは、シニカルなもので、若干、気が滅入るところもあるのですが(笑)、
成功するためには、単線的な積極思考だけでは不十分で、こうした現実的な部分もしっかり押さえておきたいところです。

この本で提案している内容をカンタンに要約すると、
人が持っている資本には「人的資本」「社会的資本」「金融資本」の3つがあるということです。
*金融については、「資産」という表現を使っていらっしゃいますが、ここでは資本で統一させて頂きます。
事業というのは、お金をどこからか調達して、それを運用することによって成立します。
お金の調達面を「資本」と呼び、運用面を「資産」と言うわけですね。
ところが、幸福論ということになると、必ずしも、お金の面からだけで語れるものではありませんので、この本では上記の3種類の資本を考えているわけです。
3つの資本を超簡単に言うと、
- 人的資本…働ける自分
- 社会資本…人との繋がり
- 金融資本…文字通り、運用できるお金があること
ということになります。
3つとも持っている人というのは、なかなか稀ですが、
リア充というのがそれに近いかもしれません。少なくとも、リア充は人的資本+社会資本を持っている人、
つまり、働き場所もあるし、人との繋がりも充実しているということになりますね。
プア充については、この書籍では、地方・郊外の「マイルドヤンキー」の例が挙げられています。
お金持ちではないし、働き場所についてはそれほど恵まれているわけではないけれども、地元での人間関係が充実していると。
お金はあまりなくても、仲間で持ち寄ってバーベキューなんかやったり、安上がりで、助け合いの精神、仲間同士の繋がり、ということで、充実感を感じられるわけですね。
そういうわけで、「プア充」という定義になっています。
ソロ充というのは、人的資本には恵まれている若者(都市部で良い働き場所がある、など)の例が挙げられています。
今時の若い人にはこういう人も多いかなあ、ということで、人との繋がり(人的資本)がないというか、あえて「要らないや」と切り捨ててるパターンもあるでしょうね。
職場には恵まれているけども、まだ若年ということで、金融資産があるというほどではない、と。
まあでは、何のために分類しているの?というところがポイントなわけですが。
観察している限りでは、
ひとが「充実」から転落するときは、上記の3つの資本の1つしか持っていなくて、かつ、その「一つ」が何らかの事情で外されてしまったときに起きるという考察です。
たとえば、
「プア充」のマイルドヤンキーですね、仲間関係がしっかり稼働しているときは幸せですが、何らかのきっかけでハブにされると、とたんに不幸へ転落してしまいます。
「ソロ充」についても、リストラにあったらお仕舞い。ということになるわけです。
そういうわけで、人的資本・社会的資本・金融資産の3つのうち、まずは一つは最低押さえたほうがいいのは言うまでもないことですが、
「充実から転落しない」のためには、この3つの資本のうち、2つはゲットしておく、2つゲットを目指すという考え方ですね。
当サイトでよく使う言い方で言えば、「負けない戦い」を人生で展開していくために、いろいろな考え方がありますが、
こうした「幸福の3つ資本」というのも、指針としては面白いですし、けっこう有効だな、と思った次第です。