ネットビジネスでは概して、
サラリーマンを低くみる傾向がありますよね。
たとえば、「これからの年金の不安、雇用環境の悪化
なんかを考えると、自分で稼ぐちからが大事!」
というふうな発信がメインになっています。
これはこれで真実だと思うし、僕もそういうことを
言うことが多いです。
でも真実は意外に多面的なものなので、角度を変えてみると
そうでもないよ、ってことも言えるわけですね。
「現代人は、マーケティングに取り囲まれている」
と、僕はよく言ってるんですが、マーケティングの罠を見破るちからとしても
物事を多面的に立体的に見ておくことは大事だと思うわけです。
さて、それではなにゆえに、サラリーマンのほうが有利、
という見方ができるのか。
当たり前ですが、サラリーマンは定期収入があります。
これはね、物販でいえば、
「ほぼ必ず売れることが保証されている有在庫販売」
と一緒なんです。
たとえば、月収30万円だとします。
ネット物販・転売でいう月収30万円というのは、
売上ー売上原価(仕入れ価格のうち売上に貢献したもの)=利益
そして、
利益ー送料・手数料など=月収
と言っていることがほとんどです。
でも、これは本当の意味での月収ではないことは、
お分かりだと思います。
しかも、
さきの計算式では、「売れ残っている在庫がある。
その支払いだけは確定している」という重大な事実が
反映されていません。
ここのところは、損益計算書(P/L)ではなくて、
キャッシュフロー計算書(C/F)の問題だからなんですね。
ところが、繰り返しますが、
サラリーマンの月収は純粋な月収です。
これは、サラリーマンという(例え=置き換え方が失礼ですが)「在庫」
が毎月、確実に売れている、とも考えらるわけです。
「僕ら社会人は、生涯賃金というものを生む金融資産である」
という考え方を以前にご紹介したこともありました。
この観点でいうと、サラリーマンとは比較的安定した金融資産である
ということが言えますね。
ほか、不動産投資に乗り出す場合、「勤続3年以上の正社員」は
起業家よりよほど銀行融資において有利、という観点もあります。
もちろん、「これからの時代のサラリーマンは安定していないよ!」
という論点もあります(これが情報発信者の常套文句ですが)。
でも、それを言ったら、「起業家の9割は5年以内に廃業する。
残りの1割も10年以内に9割は廃業する、という事実をなんとする?」
という視点をつきつけられるかも?です。笑
そういうわけで、
「サラリーマンをやりながら、副業としてネットビジネスを選択する』
というのは、かなり賢明でカタい選択であるわけですね。
あるいは、「共働き」というのもかなり大きいです。
金融資産(在庫)が1家に2つある、ということですから。
……ということを、つらつら考えてみました。
でもね、僕個人としてはやはり、「これからの時代、
個人でお金を稼ぐスキルはあったほうがよい」という立場ですよ。
ただ、ネットとかメルマガ、情報発信者の文面に慣れすぎると、
それはそれで、固定化した考えになってしまいます。
こういっちゃ何ですが、ネットにあふれている成功論って、
誰かが書いた本の焼き増しのコピーの、さらに劣化コピーで
あることも多いですからね(僕のことか・笑)。
たまに、「自分は、ある特定のコミュニティ内特有の
考え方に陥っていないか、偏っていないか」ってチェック
するのも大事ですね。